○三島村自然保護条例

平成4年9月30日

条例第12号

目次

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 景勝保護区(第6条―第11条)

第3章 遺跡保護区(第12条―第17条)

第4章 海中保護区(第18条―第23条)

第5章 鳥獣保護区(第24条―第29条)

第6章 自然木等の保護(第30条―第35条)

第7章 雑則(第36条・第37条)

第8章 罰則(第38条―第41条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、三島村の美しい自然を保護し、かけがえのないこの資産を将来にわたつて継承するため、自然の保護に関する基本となる事項を定めて、自然の保護に関する施策の推進を図り、もつて自然と調和した村民の生活環境の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に定める用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 景勝保護区 特に優れた景勝地であつて自然の侵食が激しく又は人為的に景勝を損なうおそれのある地区

(2) 遺跡保護区 歴史的価値の高い遺跡の存在する地域で、放置すると壊滅するおそれのある地区

(3) 海中保護区 珍しいさんご礁その他海中資源の豊富に生存する島嶼及び海域で、乱獲されるおそれのある地区

(4) 鳥獣保護区 鳥獣の生息地のうち特に保護を必要とし、又は繁殖させようとする地域で、乱獲されるおそれのある地区

(5) 自然木等の保護 山野に自生する貴重な自然木等の伐採、採取又は採掘若しくは村外持出しの行為の制限による保護

(村民の責務)

第3条 村民は、自然が適正に保護されるよう自ら努めるとともに、村が実施する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、その事業の実施に当たつて自然が適正に保護されるよう必要な措置を講じるとともに、村が実施する自然の保護に関する施策に協力しなければならない。

(財産の尊重及び他の公益との調整)

第5条 この条例の適用に当たつては、関係者の所有権、鉱業権、漁業権その他の財産を尊重するとともに、他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 景勝保護区

(景勝保護区の指定)

第6条 村長は、村内の景勝のうち特にすぐれた景勝地で自然又は人為的に美観を損なわれるおそれのあるときは、景勝保護区に指定することができる。

2 村長は、景勝保護区を指定するときは、あらかじめ別に定める自然保護審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

3 村長は、景勝保護区を指定する場合には、その旨及びその区域を公示しなければならない。

4 景勝保護区の指定は、前項の公示によつてその効力を生じる。

(指定の解除及び区域の変更)

第7条 村長は、前条第1項景勝保護区の指定を解除し、またその区域を変更しようとするときは、審議会の意見を聴かなければならない。

2 前条第3項及び第4項の規定は、景勝保護区の指定の解除及びその区域の変更について準用する。

(制限)

第8条 景勝保護区内においては、次に掲げる行為は、村長の許可を受けなければならない。ただし、景勝保護区が拡張される際、既に着手していた行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。

(1) 工作物を新築し、改築し、又は増築すること。

(2) 木竹を伐採すること。

(3) 鉱物を採掘し、又は土石を採取すること。

(4) 広告物その他これに類するものを掲示し、又は設置すること。

(5) 水面を埋め立て、又は干拓すること。

(6) 土地を開墾し、その土地の形状を変更すること。

(7) 村長が指定する植物の採取及び鳥獣を捕獲すること。

2 前項各号に掲げる行為をしようとする者は、その旨を1月前までに村長に届け出なければならない。

(条件)

第9条 前条第1項の許可を与えるときは、景勝地の景観を保護するために必要な限度において、条件を付することができる。

(原状回復命令)

第10条 村長は、景勝の保護のために必要と認めるときは、第8条第1項の規定及び前条の規定により、許可に付された条件に違反した者に対して、その必要な限度に応じて原状回復を命令し、又は原状回復が著しく困難である場合に、これに代わるべき必要な措置を執るべき旨を命ずることができる。

(報告の徴収及び立入検査)

第11条 村長は、景勝の保護のために必要と認めるときは、第8条第1項の規定により許可を受けた者に対し、当該行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。

2 村長は、第8条第1項又は前条の規定による処分をするために必要があると認めるときは、その必要の限度に応じて、当該職員をして、景勝保護区域内の土地若しくは建物内に立ち入らせ、又は第8条第1項各号に掲げる行為の実施状況を検査させ、又はこれらの行為の風景に及ぼす影響を調査させることができる。

第3章 遺跡保護区

(遺跡保護区の指定)

第12条 村長は、村内の歴史的遺跡の多い地区で、その価値が高く、放置することによつて壊滅するおそれのある場合は、その区域を遺跡保護区に指定することができる。

2 第6条第2項から第4項までの規定は、遺跡保護区の指定について準用する。

(指定の解除及び区域の変更)

第13条 村長は、前条第1項の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、第7条第1項及び第2項の規定を準用する。

(制限)

第14条 遺跡保護区の制限については、第8条第1項及び第2項の規定を準用する。

(条件)

第15条 前条の規定により準用する第8条第1項の許可を与えるときには、第9条の規定を準用する。

(原状回復命令)

第16条 遺跡保護区の原状回復命令については、第10条の規定を準用する。

(報告の徴収及び立入検査)

第17条 第14条の規定により準用する第8条第1項の規定による許可を受けた者に対する実施状況等の報告は、第11条第1項の規定を準用する。

2 第14条の規定により準用する第8条第1項の規定による許可を受けた者に対する、実施状況等の立入検査及び立入調査は、第11条第2項の規定を準用する。

第4章 海中保護区

(海中保護区の指定)

第18条 村長は、村内の島嶼及び海域において、さんご礁、魚類若しくは貝類及び海藻類が乱獲され、その資源を失うおそれのある海域にあつては、海中保護区に指定することができる。

2 第6条第2項から第4項までの規定は、海中保護区の指定について準用する。

(指定の解除及び区域の変更)

第19条 村長は、前条第1項の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、第7条第1項及び第2項の規定を準用する。

(制限)

第20条 海中保護区内においては、次に掲げる行為は、村長の許可を受けなければならない。ただし、海中保護区が指定され、若しくはその保護区が拡張される際、既に着手していた行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。

(1) さんご礁を採取すること。

(2) 村長が指定する貝類若しくは海藻類を採取すること。

(3) 村長が指定する魚類を捕獲すること。

(4) 島嶼の木竹を伐採すること。

(5) 砂礫を採取すること。

(6) 水面を埋め立て、又は干拓すること。

(7) 工作物を設置すること。

2 前項各号に掲げる行為をしようとする者は、その旨を1月前までに村長に届け出なければならない。

(条件)

第21条 前条第1項の規定より許可を与えるときには、第9条の規定を準用する。

(原状回復命令)

第22条 海中保護区の原状回復命令については、第10条の規定を準用する。

(報告の徴収及び立入検査)

第23条 第20条の規定により許可を受けた者に対する実施状況等の報告は、第11条第1項の規定を準用する。

2 第20条の規定により許可を受けた者に対する実施状況等の立入検査及び立入調査は、第11条第2項の規定を準用する。

第5章 鳥獣保護区

(鳥獣保護区の指定)

第24条 村長は、村内の山野のうち、特に自然生息地で乱獲のおそれのある地域又は幼雛を放ち繁殖を目的とする地域を、鳥獣保護区に指定することができる。

2 第6条第2項から第4項までの規定は、鳥獣保護区の指定について準用する。

(指定の解除及び区域の変更)

第25条 村長は、前条第1項の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、第7条第1項及び第2項の規定を準用する。

(制限)

第26条 鳥獣保護区内において次の各号に掲げる行為は、村長の許可を受けなければならない。ただし、鳥獣保護区が指定され、若しくはその保護区が拡張される際、既に着手していた行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。

(1) 村長が指定する鳥獣を捕獲すること。

(2) 木竹を伐採すること。

(3) 工作物を設置すること。

(4) 猟銃を使用すること。

2 前項各号に掲げる行為をしようとする者は、その旨を1月前までに村長に届け出なければならない。

(条件)

第27条 前条第1項の規定より許可を与えるときには、第9条の規定を準用する。

(原状回復命令)

第28条 鳥獣保護区の原状回復命令については、第10条の規定を準用する。

(報告の徴収及び立入検査)

第29条 第26条の規定により許可を受けた者に対する実施状況等の報告は、第11条第1項の規定を準用する。

2 第26条の規定により許可を受けた者に対する実施状況等の立入検査及び立入調査は、第11条第2項の規定を準用する。

第6章 自然木等の保護

(保護自然木等の指定)

第30条 村長は、村内の山野に自生する貴重な資源である自然木及び植物等(以下「保護自然木等」という。)を保護するため、区域を定め保護自然木等を指定することができる。

2 第6条第2項から第4項までの規定は、保護自然木等の指定について準用する。

(指定の解除及び区域の変更)

第31条 村長は、前条第1項の指定を解除し、又はその区域を変更しようとするときは、第7条第1項及び第2項の規定を準用する。

(制限)

第32条 指定された区域内の保護自然木等を保護するため、次の各号に掲げる行為は、村長の許可を受けなければならない。ただし、第2項各号に掲げる行為及び保護区域等が指定され、若しくはその保護区域等が拡張される際、既に着手していた行為又は非常災害のために必要な応急措置として行う行為は、この限りでない。

(1) ビロー、つつじ、椿、桑、シャリンバイ、トベラ、ハマヒサカキ、クロガネモチ、ホルトノキ、モッコクその他村の気候風土上貴重な自然木の伐採及び村外への持出し

(2) おおたにわたり、へご、なごらん、つばきらんその他村の気候風土上貴重な植物の採取及び村外への持出し

(3) 根株の掘採、枯損木その他これに準ずるものの伐採又は採取及び村外への持出し

2 次の各号に掲げる行為は、15日前までに村長に届け出なければならない。

(1) 資源増殖のための採取又は掘採若しくは村内間の移動

(2) 村民が自家用に供するための採取又は掘採

(3) 造林又は造園等のための伐採、採取又は掘採若しくは村内間の移動

3 第1項各号に掲げる行為をしようとする者は、その旨を1月前までに村長に届け出なければならない。

(条件)

第33条 前条第1項の規定より許可を与えるときには、第9条の規定を準用する。

(原状回復命令)

第34条 保護自然木等の原状回復命令については、第10条の規定を準用する。

(報告の徴収及び立入検査)

第35条 第32条の規定により許可を受けた者に対する実施状況等の報告は、第11条第1項の規定を準用する。

2 第32条の規定により許可を受けた者に対する実施状況等の立入検査及び立入調査は、第11条第2項の規定を準用する。

第7章 雑則

(標識等)

第36条 村は、景勝保護区、遺跡保護区、海中保護区及び鳥獣保護区並びに自然木等の保護の管理に必要な標識、説明版、境界標及び囲柵その他の施設を設置するものとする。

(委任)

第37条 この条例に定めるもののほか、この条例に関し必要な事項は規則で定める。

第8章 罰則

第38条 第10条第16条第22条第28条及び第34条の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

第39条 次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

(1) 第8条第1項第14条第20条第1項第26条第1項及び第32条第1項の規定に違反した者

(2) 第9条第15条第21条第27条及び第33条の規定により許可に付された条件に違反した者

第40条 次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。

(1) 第11条第1項第17条第1項第23条第1項第29条第1項及び第35条第1項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(2) 第11条第2項第17条第2項第23条第2項第29条第2項及び第35条第2項の規定による立入り検査又は、立入り調査を拒み、妨げ、又は忌避した者

第41条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関して、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、各本条の罰金刑を科する。

1 この条例は、公布の日から施行する。

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

三島村自然保護条例

平成4年9月30日 条例第12号

(平成4年9月30日施行)

体系情報
第8編 生/第3章 環境保全
沿革情報
平成4年9月30日 条例第12号